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BLoQ管理会計 開発日誌

BLoQ管理会計 開発日誌 #15 警報は、鳴りすぎると鳴っていないのと同じ——リリースに向けたPDCAと、自分たちの足元の整備

こんにちは、Kakitsuです。「BLoQ管理会計」開発日誌の第15回です。前回は、マニュアルを書いたら設計の粗が出てきたという話をしました。今回はリリース前の最後の作り込みで、柱は二つです。現場がPDCAを回せるようにすること。そして、使ってくださる方の「おかしい」を、こちらが受け取れるようにすることでした。

計画と実績がずれたとき、何と比べるか

年度の計画を立てて実績が入ってくれば、必ずずれます。そのずれを見て毎月組み直すのが修正予算です。ここに、ずれの大きい部門を知らせるお知らせを足しました。
いちばん悩んだのは、何と比べるかです。最初は年度の目標と比べるつもりでした。ところが目標は年度の金額で、月ごとの内訳を持っていません。期首から数か月の時点では、累計の実績はどうしても目標の数%にしかならない。4月決算の会社なら、5月の時点で全部門が「達成率8%」です。これで警報を出せば、毎月すべての部門が真っ赤になります。
警報は、鳴りすぎると鳴っていないのと同じです。そこで金額のずれは当初予算と比べることにしました。当初予算は月ごとの金額を持っているので、同じ月までの累計同士を並べれば、按分の小細工なしに正しいずれが出ます。判定に使うのは終わった月まで。途中の当月を入れると、月初に全部門が下振れて見えてしまいます。
もう一つ決めたのは、機械が催促しないことです。大きく外れたときに一度だけ関係者へ自動で知らせ、そのあと誰にいつ声を掛けるかは経営者と役員が決める。手で送る画面も作りましたが、本文が空欄では送れないようにしました。定型文だけのメールは読み飛ばされるからです。何%を「大きく外れた」とするかは、会社ごとに決められます。

通知設定の「計画から大きく外れたお知らせ」。何%下振れたら知らせるかを会社ごとに決めます(画面写真はすべて、デモ用の架空の会社です)


直している最中に、もっと大きな穴が二つ出てきた

このあたりを整えていたとき、「修正予算は作成・承認・確定と手数が多すぎないか」というご指摘をいただきました。調べてみると、ご指摘より重い問題が二つ出てきました。
一つは、締切のあとはブロック長が予算を編集できない作りだったことです。毎月の修正予算のたびに、管理者が年度全体のロックを外し、全部門が提出し、全部門を承認し、また締め切る。修正予算でPDCAを回すという目的を、仕組みのほうが邪魔していたわけです。
もう一つは怖い話で、締め切り直すたびに当初予算が上書きされていました。修正予算を組んだあとにもう一度締め切ると、基準であるはずのマスタープランが修正後の数字に置き換わって消える。当初予算との比較も、ずれのお知らせも、よりどころを失います。幸い、どのお客様もまだ修正予算を組む前で、実害は出ていませんでした。
直し方自体は単純で、当初予算は無いときだけ複写する、に変えました。意図して取り直したいときのために管理者専用のボタンを別に用意し、押すと何が入れ替わるかを確認画面に明記しています。締切という言葉は、当初予算を締め切ったという意味であって、編集を止める意味ではない。そう読めるように、画面の文言も書き直しました。

同じ物差しで並べる

ブロック同士を一つの物差しで並べる画面も足しました。達成率の基準は当初予算、集計は終わった月までの累計。ほかの画面と土俵をそろえたので、どこを見ても数字が食い違いません。
表ごとに、見せる相手と、金額を出すかどうかを決められます。順位が付かない部門は、理由を添えて末尾に並べました。実績がない、当初予算がない、労働時間が登録されていない。何を登録すれば表に載るのかが、画面を見れば分かるようにするためです。非表示にした部門は順位の計算からも外しています。1位、2位、4位と欠番が出れば、隠された部門があると分かってしまうからです。

ランキング集計。表ごとに見せる相手と金額の開示を決められます


「おかしい」と思ったその場で送れるように

もう一つの柱が、不具合と要望の受け口です。全画面の右下に吹き出しを置き、押すとその場で小窓が開きます。画面は切り替わりません。入力中の作業を消さないためです。書くのは本文だけでよく、どの画面から送られたかといった情報はこちらで自動的に添えます。画面写真はCtrl+Vで貼れます。画面を撮ってそのまま貼るのが、実際いちばん早い。

右下の吹き出しから開く小窓。画面は切り替わらず、書くのは本文だけで構いません


送らないものも決めました。アドレスの後ろに付く文字列は落とします。IDや検索語が入るからです。操作の履歴にも報告の本文は残さず、何番の報告かだけを記録します。数字や氏名が書かれうるからです。そして、保存に失敗しても画面にエラーは出しません。報告できなかったせいで作業が止まっては本末転倒です。
エラーそのものも自動で記録します。同じ原因のものは行を増やさず回数だけ足す。そうしないと、繰り返すエラーで一覧が埋まり、人が手で書いてくれた報告が埋もれてしまいます。

記録はしていたのに、読む場所がなかった

最後に、思わぬ宿題が見つかりました。「ログイン履歴などを見る画面はあるか」と聞かれて、無い、と答えるしかなかったのです。
記録自体は各画面が丁寧に残していました。手元の複製を数えたら、ログイン169件を含む950件、70種類の操作。残してはいたけれど、読む場所をどこにも作っていなかった。記録するところまでで満足していたことになります。
閲覧の画面を作り、区分や利用者や期間で絞り込めるようにしました。絞り込みの選択肢は、実際に記録のある操作から作っています。使わない選択肢を並べても、選びにくくなるだけなので。操作名の日本語化は、よく使うものは対応表で、それ以外は機械的に分解し、どちらでも分からなければ英字のまま出します。嘘の説明を出すよりはましだと考えました。
残った宿題
通知のメールは、文面と宛先の組み立てまでは確かめましたが、本物のメールが飛ぶので実際の送信はまだ試していません。そして、全体を通した総合テストが残っています。

次回予告
第16回では、目標値とアラートの作り直し——KPIサマリと達成率のお知らせを、メールから画面のバナーへ移した話をします。
(次回に続く)

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