こんにちは、Kakitsuです。「BLoQ管理会計」開発日誌の第14回です。前回は、システムをどこで動かすかという器の話をしました。今回は、できあがったものに説明書を付ける作業の話です。正直に言うと、始める前は「作り終わったものを文章にするだけ」だと思っていました。実際には、いちばん効いた設計レビューがこれでした。
手順を書こうとしたら、順番が逆だった
まず、予算をどう作ってもらうかの手続き書を書き始めました。①経営者と役員が大枠を作る ②ブロック長が勘定科目まで積み上げる ③部門間の取引をブロック長会議で決める ④承認して提出する ⑤経営者が承認して確定する。この流れを、画面と操作に落として書いていきます。
ところが書けないのです。実際の画面では、予算サイクルを開始しないと経営者・役員は編集できない仕様になっていました。つまり①の前に、もう一手必要だった。しかも、その開始操作の権限が管理者、つまり会計事務所にしかありませんでした。予算をいつ始めていつ締めるかは会社の意思決定なのに、そのつど私に依頼しないと進まない。これでは運用が回りません。進行の操作を経営者・役員にも開放しました。ただし確定を解除する操作だけは、管理者に残しています。
もう一つ、第2段階で「保存して提出」を押すと、その部門は部門間取引の予算を登録できなくなる、という行き止まりがありました。手続き書を書かなければ気づかなかった順序の罠です。

書く途中で、不具合が一つ落ちてきた
文章にする過程で、提出時のチェックそのものの誤りも見つかりました。「予算が入力されていません」と止める判定が、部門間取引の行まで件数に数えていたのです。そのため、相手部門との取引だけを登録した部門が、自分の勘定科目の予算が空のまま提出できてしまっていた。件数の数え方を勘定科目だけに限定し、メッセージも書き換えました。

説明を書くというのは、自分の作ったものを、初めて使う人の順番で読み直す作業です。作った本人には見えない段差が、そこで初めて足に当たります。
操作の説明と、経営での使い方は別物
書きながらもう一つ分かったのは、「どう操作するか」と「経営にどう使うか」は、別の文書にしないと混ざるということでした。前者は画面の順番で書きます。後者は、目標を決める、計画に落とす、実績と見比べる、次の手を打つ、という経営の循環の順番で書きます。読む人も違います。そこで、操作を説明する手続き書とは別に、経営での使い方をまとめた資料を用意しました。
得点板は、置いただけでは使われません。遊び方の説明を脇に立てて、初めて試合が始まります。

マニュアルを、アプリの中に引っ越した
当初は配布用の資料として作っていましたが、途中でアプリ自身の中に組み込むことにしました。使い方が分からなくてログインできない人にも読めるよう、ログイン不要にしています。
画面からもたどれるようにしました。アプリのヘッダに「使い方」ボタンを一つ置き、いまどの画面にいるかで対応するページへ飛びます。どの画面がどのページに対応するかは、マニュアル側に書いてあります。こうしておけば、画面が増えたときに直す場所が一か所で済みます。別タブで開くのは、入力中の内容を失わせないためです。
全部で46ページになりました。途中で「初期設定のマニュアルはあるか」という指摘を受け、確かに個々の画面の説明はあっても、freee会計とつなぐところから通しで案内するページが抜けていたので、導入の章を足しています。目次に「準備中」が一つも残っていない状態まで書き切りました。
画面写真に、実名を写さない
最後に画面のキャプチャです。実際のお客様のデータを隠して撮るのではなく、架空の会社と架空の部門を作って、そこで撮ることにしました。そもそも実在の名前が存在しない場所で撮るほうが確実だからです。
それでも二件、実在の名前が写り込みかけました。氏名は隠していたのにメールアドレスが対象外だったものと、デモ用の勘定科目を既存の会社から複製していたために、科目名の中に実在の店舗名が残っていたものです。以来、隠す対象の一覧はデータベースから自動で作り、撮影後に写真の中の文字を走査して実在の名前が残っていないか自己チェックする仕組みを入れました。決め打ちの一覧では、知らない名前が一つ増えただけで漏れます。

残った宿題
マニュアルは、機能を足すたびに置いていかれます。実際、その後に入れた機能のうち利用者が使うものだけを後から追記しました。運営側だけが使う画面は載せていません。この「追随させる作業」を忘れない形にするのが宿題です。
次回予告
第15回では、リリースに向けたPDCA——不具合対応と機能追加、そして監査ログについてお話しします。
(次回に続く)
――――――――――
#freee会計 #LaQ #BLoQ管理会計 #全員参加経営 #アメーバ会計システム #決算早期化 #売上最大・経費最小 #管理会計システム #DX #経営効率化 #中小企業 #ニューブロック #Yondemy #ゲーミフィケーション #遊びと教育 #遊びと仕事 #盛和塾 #フィロソフィ経営 #稲盛和夫 #京セラ
――――――――――
本連載はKakitsu株式会社(Kakitsu)が開発・運営しています。
Kakitsu株式会社 公式サイト: https://kakitsu.co.jp/
