こんにちは、Kakitsuです。「BLoQ管理会計」開発日誌の第5回です。前回は、開発工程書で3週間を見込んでいた採算表エンジンと経営者ダッシュボードMVPが、実際には開発2日目のうちに動き始めてしまった話をしました。今回は、同じ2日目に見つかった、もう一つの「実データでしか気づけなかった罠」——製造業のお客様特有の勘定科目(製造原価)を、採算表にどう正しく組み込んだかについてお話しします。
BLoQ管理会計では、BLoQ毎に時間当たり採算を競い合います。このため製造原価委についてもP/L的表示によってBLoQ対抗で競い合える見え方になっています。通常の原価計算では、集計された原価は製品原価に組み込まれる形になるので、ここを部門対抗的な表示にするには、P/L・C/Rの組換えと表示の工夫が必要です。ここで今回の問題が発生!!
BLoQ管理会計では、スタッフが製造業のお客様特有の「製造原価」という壁
出版・印刷業のお客様のデータを検証する中で、それまで想定していなかった課題にぶつかりました。同社の勘定科目には、通常の売上原価とは別に「製造原価」に分類される科目が100件を超えて存在していたのです。これらはPLの試算表には内訳が出てこないため、それまでの仕訳帳取込みでは対象外にしていました。マスタ同期の段階で、勘定科目のカテゴリに「製造原価」を含む科目を自動判定して専用のフラグを立て、仕訳帳取込みにも含めるように対応しました。あわせて「製造原価を変動売上原価に一括割当」できるボタンと標準テンプレートを用意し、まとめて分類できるようにしています。
「+」と「-」を逆にしただけで
この対応を実データで検証している最中に見つかったのが、符号の取り違えです。製造原価の計算では、期首の棚卸高は原価に加算(プラス)、期末の棚卸高は原価から控除(マイナス)するのが正しい扱いです。ところが実装では、収益科目向けに使っていた「貸方をプラスとして扱う」ロジックが、棚卸科目にもそのまま適用されてしまっていました。会計上の理屈自体は最初から分かっていたはずなのに、コード側の符号の扱いを一つ取り違えただけで、製造原価の計算結果はまるで違う数字になってしまいます。費用科目は「借方-貸方」で集計し、貸方をプラスとして扱うロジックは収益科目だけに限定するよう修正し、試算表フォールバックモードでも期末棚卸を符号反転して控除するように直しました。
実データで、1円のズレもなく一致した瞬間
修正後、出版・印刷業のお客様の製造原価科目をまとめて変動売上原価に割り当て、仕訳帳から日次集計した製造原価の合計を、実際の製造原価報告書の数字と突き合わせました。結果は差額0円——1円のズレもなく完全に一致しました。「符号を直しただけ」の小さな修正が、実際の帳票の数字と寸分違わず合った瞬間は、机上のロジックが現実の会計処理と噛み合ったことを実感できる、開発の中でも印象に残る出来事でした。この符号修正は全社共通のロジックだったため、すでに検証済みだった複数店舗を運営するお客様の仕訳帳も、念のため再度取り込み直して確認しています。
中項目体系そのものも作り直す
同じ日には、要件資料の更新にあわせて、勘定科目マッチングの中項目体系そのものを刷新する作業も行いました。期首棚卸・当期仕入高・期末棚卸高・製造人件費・製造原価といった項目を、freeeの勘定科目カテゴリから自動で振り分けられるよう分類ロジックを全面的に書き直し、専用処理として作っていた「製造原価の一括割当」機能も、この標準テンプレートに統合しました。検証では、既存のマッピングをいったんクリアして新しいテンプレートを再適用し、製造原価科目が期首棚卸・当期仕入高・製造人件費・売上原価などへ正しく分類され、ダッシュボード上で期末棚卸がきちんと控除(▲表示)されることを確認しています。
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第6回では、開発3日目に取り組んだ、現場のアメーバ長・スタッフ向けダッシュボードの実装についてお話しします。
(次回に続く)
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